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空き家を、リノベーションで活かす
2026年9月9日|いえにわの家づくり
ご実家や親族の家が、空き家になった。住む予定はないけれど、手放すのもためらわれる。そんな家を、どうするか。
売る、貸す、住み継ぐ。答えはひとつではありません。ここでは、20年住む人のいなかった家を「貸せる家」に生まれ変わらせた、実際のリノベーションの記録をお話しします。
20年、住む人のいなかった家
相談をいただいたのは2017年の秋のことです。「神戸にある築32年の家。もう20年も住んでいないから、水まわりも使えない。どこからどうしていいか分からない」。

実際に見に行くと、外観の傷みは想像していたよりずっと少なく、家の程度は悪くありませんでした。空き家というと「もうだめになった家」を思い浮かべるかもしれませんが、そうとは限りません。
最初の工事は、建物ではなく庭でした。育ちっぱなしになっていた庭の木を伐採して、まず家に日を当てる。家の状態も、暮らしの可能性も、日が当たるとよく見えてきます。
空き家の弱点は、暗さと寒さ

この家の弱点は、はっきりしていました。日が当たらず、暗くて寒い。冬に廊下を歩くと、足の裏が痛いほど床が冷たい。昔の家なので、断熱材も入っていません。
間取り自体は、西日を避けて水まわりを西側に置いた、よく考えられたものでした。ただ、部屋が細かく分かれているぶん光が届かず、広い空間で暮らしたいいまの感覚には合いません。計画の最優先課題は「寒くて暗い部屋をなんとかする」に決まりました。
明るくする工夫は、ふたつ
ひとつめは、吹き抜けです。2階の床を一部切りとって、2階の窓から入る光を1階まで届けました。

ふたつめは、窓を大きくすること。使っていなかった勝手口をやめて窓に変え、リビングにも大きな窓を取りつけました。古い窓は外壁を切って交換し、まわりをモルタルで平らに仕上げ直しています。

暗さと寒さの正体は、光と断熱です。そこさえ手を入れれば、空き家の印象は大きく変わります。
「貸せる家」に生まれ変わった
この家は、工事のあと賃貸として活用する計画でした。賃貸で大切なのは、どんな人に借りてもらうかを先にイメージすることです。この家は、よく整備された登山道まで歩いて3分。それなら、山や森が好きな人に届く家にしよう。窓の形と大きさは、外の森を楽しめるように決めていきました。


玄関には、レッドシダーの外壁と、向こう側が透けて見える穴あきブロック。急だった階段は、すべりにくい青いカーペットで仕上げました。細かな工夫を重ねて、「寒くて暗い家」は、森をながめて暮らす明るい家になりました。
空き家をどうするか、迷ったら
空き家は、放っておく時間が長いほど、選択肢が減っていきます。逆に、骨格がしっかりしているうちなら、貸す・住み継ぐ・売る、どの道も選べます。大切なのは、思い込みで決める前に、家の状態を見きわめることです。
いえにわの代表・横関は、既存住宅状況調査技術者の資格を持つ建築士です。どこが傷んでいて、どこがまだ使えるのか。見立てたうえで、活かし方をご提案します。
この事例は神戸の家ですが、住む人のいなくなった家をどうするかは、徳島でもこれから増えていく話です。現在は徳島県内のお客様を中心にお受けしています。ご実家のこと、親族の家のこと、まずは状態を見るところからで大丈夫です。